OVERHEAD ENVIRONMENTS – CAVE VS. ADVANCED WRECK
By John Bentley 翻訳:中森翔士
水中にいるだけでも楽しいですが、水中にある「もの」の中にいればもっと楽しいかもしれません。第二次世界大戦時代の沈船の内部にある調理室や船員居住区、水中のケーブの奥深くの独特な鍾乳石群を見ることは素晴らしい経験になります。
直接浮上ができないというリスクは、レックでもケーブでも同様です。オープンウォーターでは容易に解決できるトラブルも、ケーブやレックの中では深刻なトラブルとなる可能性があります。なぜそうなるのか、これから見ていきたいしと思います。
危険性
ケーブとレックには共通の危険性があります。その危険性とは、水面に向かって直接浮上できないこと、厳格なナビゲーションとガスプランニングが必要とされることです。
●レックでは錆、釣り糸、ワイヤーロープの危険性がよく知られています。
こういった絡まりやすいものや罠のようなものは、レック特有の危険性であり、ほとんどのケーブ環境と比べて、レックが人工物であるがゆえ著しく早く物体の状態が悪化します。
●ケーブにも絡まりやすいものや罠のようなものはあります。一方、ほとんどのケーブでは、釣り糸やワイヤロープの危険はありませんが、ケーブ内には極めて鋭利な岩もあり、硬い岩に突き刺されることはレック内の金属の錆による視界不良よりも危険な場合もあります。
距離
ケーブとレックの環境の大きな違いは、移動距離です。ケーブダイバーにとってケーブ内を600m、往復で1,200m泳ぐことは珍しいことではありません。レックの長いペネトレーションであっても、ケーブの移動距離と比べるとあきらかに短いです。そして一般的なケーブダイビングに比べ、レックのペネトレーションは長いものになるほど、身をよじったり、ターンしたりすることが多くなります。沈船はダクトではありませんが、人にとってはダクトのようなものです。
計画
ボートを必要とするケーブダイビングや、ビーチエントリーでのレックダイビングもあります。快適な水温のケーブもあれば、極寒のレックもあります。どちらも流れがあったり、深かったり、生物が存在することさえあります。熟達したラインワークやドライケーブスキルを必要とするケーブもあります。これら全てを考慮すると、計画の厳密性という観点では、レックもケーブも同等と言ってもいいでしょう。
ラインを引くか引かないか?
ケーブでもレックでもダイバーは通路で迷うことがあります。ゼロビジもしくは視界は良いが目印がない広すぎる水中でのナビは、どんなダイバーにとっても望ましいものではありません。「思考できない状況」では、ガイドラインを適切に使うことが、オーバーヘッド環境を脱出する最善の方法です。適切なガイドラインの使用には、どこにラインを引くかも含まれますが、それよりも大事なことは、どこにラインを引かないかです。ライントラップを避けること、確実に進むこと、鋭利な接触場所を避けてゼロビジの中でラインを辿れることを確実にします。これがラインを引く全てのポイントです。
レックは一般的に出口の数が多いため、ラインを引かないこともよくあります。レックのペネトレーションは、反対側の出口に向かって、ただ長い距離を泳ぐものが多いです。出口があることを確認していないのであれば、きっと出口があるだろうなどとは決して考えてはいけないと、経験を積んだレックダイバーもしくはケーブダイバーは判断するでしょう。
ここまでで何を学びましたでしょうか?
一方には危険な捻じれた金属の塊であり、他方には長い年月をかけて擦り切れた岩があり、どちらも同じような危険があります。どちらも安全にペネトレをするためにトレーニングを積む価値が十分にあり、攻略の難しさとそこで見れる素晴らしい風景にダイバーは大きな感動を得るでしょう。
ケーブやアドバンスドレックダイビングに挑戦する準備はできていますか?
オーバーヘッド環境プログラムの入門編のカバーンダイバーコースはこちらを、
イントロケーブコースはこちらを、
アドバンスドレックコースはこちらをご確認ください。
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