HOW TO BUILD YOUR SAVE A DIVE KIT
By Kate Heller
翻訳 SDIインストラクター中森 翔士
「フィンストラップが切れた」「シリンダーのOリングが無くなった」「講習生のBCD にエアが入らない」
あなたが新人であっても熟練者であっても、もしくはプロダイバーであっても、セイブ・ア・ダイブ・キットが必要だと思う何らかの理由を見つけるでしょう。最初はキットに何を入れたらいいか決めるのは困難でどうしたらいいのかわからないように思えるかもしれませんが、実際はとても簡単です。
あなたはいくつかのことを考慮しなければなりません。まず、マーフィーの法則について考えてください。「悪くなる可能性があるものは必ず悪くなります」次に、これまであなたが経験したダイビングのあらゆる側面を分析してください。最後に、あなたが持っている器材と、ダイビングを行う日に持っておく必要があるその器材のパーツについて考えてください。これらを頭に入れて、初心者ダイバーからインストラクターまでのキットについて考えてみましょう。
SDI でダイビングのキャリアを積んでいくことに意欲的な新人オープン・ウォーター・ダイバーとして、あなたは器材を揃え始めます。キットを作るにあたって、基本的な器材に必要なパーツを入れる小さなドライボックスの入手を検討するでしょう。器材にはマスク、ブーツ、フィン、スノーケル等が含まれます。器材については置いといて、ダイバーとしての自分自身についても考える必要があります。上記に挙げた考慮すべき3つの点を頭に入れて、それぞれの器材のパーツについて考えましょう。
マスク、ブーツ、スノーケル、フイン
• 何が壊れる可能性がありますか?
• マスクストラップが壊れる
• マスクが曇ったままになる
• ブーツのファスナーが壊れる
• スノーケルキーパーが壊れる
• フィンストラップが壊れる
• フィンバックルが壊れる
• ヘアゴムが壊れる
• これまで行ってきたダイビングを分析する
• マスクのトラブルに対して、どのように対処するように提案されてきましたか?
• ブーツがきつすぎたため、ファスナーが痛んだのではないですか?
• ダイビング中に既にスノーケルキーパーは外れていたのではないですか?
• ダイビング中にストラップを調節しなければなりませんでしたか?
• ダイビング中にバックルが緩んだり、外れたりしませんでしたか?
• 必要になる可能性があるパーツ
• 予備のマスクストラップ
• 曇り止め
• 新しいブーツを手に入れるまでの応急処置用テープ
• 壊れたファスナーの代わりとなる結束バンド
• 予備のスノーケルキーパー(プラスチック、シリコンもしくはネオプレーン)
• 予備のフィンストラップ
• 予備のフィンバックル
• 数個のヘアゴム
• その他考慮すべきもの
• Cカード
• 予備のスノーケル、レギュレーターのマウスピース
インストラクターやボートクルーや現地の人が、上記の予備パーツを持っていたとしても、自分のキットを作ることがベストです。そうすれば、新人ダイバーとして、不測の事態に備えることができると同時に、器材トラブルをどのように解決するか理解できるため、より自立したダイバーになれます。
ダイビングのキャリアを積み、経験を増やしていくと、他のダイバーに起こったトラブルを目の当たりにします。彼らが何を使ってトラブルに対処しているか見たり、聞いたりし、知識を蓄えることによって、自分のキットにそれを加えることができます。BC、レギュレーター、ダイブコンピューター、ウェットスーツを器材に加えたり、潜る場所によって器材を増やしたりする際も、キットを作る上で、考慮すべきことはもっとあります。
BC、ウェットスーツ、ダイブコンピューター、レギュレーター
• 何が壊れる可能性がありますか?
• ダンプバルブが割れる
• ダンプバルブの紐が千切れる
• インフレーターボタンが動かなくなる
• ウェットスーツのファスナーが壊れる
• ウェットスーツのファスナーのリーシュ(紐)が切れる
• ウェットスーツが破れる
• レンタルシリンダーにOリングが付いていない、もしくはOリングが吹き飛んでしまった
• ダイブコンピューターが壊れた
• ホースから空気が漏れる
• これまで行ってきたダイビング及びこの先行う予定のダイビングを分析する
• 空気が漏れるホースはその場で修理できますか?
• ジッパーは修理できますか、もしくは間に合わせのパーツがありますか?
• ウェットスーツの裂け目がひどくなるまで何本潜りましたか?
• ウェットスーツのファスナーは締めづらくないですか?
• Oリングが飛んだら、ボートクルーはどうしますか?
• バッテリーを交換するように教わりましたか?
• 必要になる可能性があるパーツ
• スペアのダンプバルブ
• パラコードもしくは、編まれたナイロンライン
• ウェットスーツ用の糊、布片
• ファスナー用ワックス/潤滑油
• Oリングピック
• シリンダーサイズのOリング
• ダイブコンピューターのバッテリー
• 予備のレギュレーターのホース
• その他考慮すべきもの
• 予備の残圧計
• 予備のボルトスナップとクリップ
レクリエーショナルダイビングがあなたにとって魅力的なものであり、レックやディープ、サイドマウント等の別分野のレクリエーショナルダイビングにも挑戦したいと思うなら、上記に挙げたダイビングで考慮すべき3つの点を参照してください。そこから、さらにキットを作り込むことができるようになります。あなたが会って、つながりを持つことになる新人ダイバーにとって、あなたは知識源となるでしょう。
ダイビングが誰かとシェアしたいものになり、プロレベルで誰かに教育したいものになれば、キットの他の側面と既に作り上げたキットを更に良くするにはどうするか考えるというトレーニングがあります。
講習生の器材(個人の器材及びレンタル器材)
様々な道具、器材
• 何が壊れる可能性がありますか?
• 受講生のレギュレーターのフリーフロー
• 受講生の耳が抜けない
• ファーストステージ付近のホースからエアが漏れている
• 受講生がダイブコンピューターを忘れた
• ダイブコンピューターが壊れた
• これまで教えてきたダイバーとこれまで行ってきたダイビングを分析する
• 講習を手伝う中で、よくあったトラブルは何ですか?
• これらのトラブルを素早く解決するにはどうしたらいいですか?
• トラブルを緩和するには何が必要ですか?
• 必要になる可能性があるパーツや道具
• 六角レンチ
• モンキーレンチ
• ラジオペンチ
• 予備の中圧/高圧ホース
• ポートプラグ
• 様々なサイズのOリング
• ハサミ
• ダンプバルブ、インフレーターホース
• その他考慮すべきもの
• イアーシールド
• 予備の日焼け止め
• 酔い止め薬
インストラクターとして、キットはあなたにとって役立つものであると同時に、講習生にとっては教材ともなります。ダイビングをする際に必要な部品を考えてもらう上で、この教材があれば効率的に教えることができます。講習生のために全て揃えておくのは素晴らしいですが、講習生自身にしっかりと考えてもらうことが、自力で問題解決ができるダイバーを育てるためにはとても重要です。
キットはダイビングのあらゆる段階において、とても重要なツールです。キットがあれば、修理が必要なものを直せることが分かるので、安心感が持てます。ダイビングのキャリアを積んでいく中で、行うダイビングの3つの点について一貫して考えていく必要があります。3つの点とは、壊れる可能性があるものの把握、これまで経験した類似ダイビングの分析、トラブルの緩和及び回避のためキットの中に入れる道具・器材の考慮です。上記のリストに挙げた項目は、キット作成のひな型として役立ちますが、初心者でも経験者でも、インストラクターでも、上記のリストに加えられるものは無数にあります。キットを作る際は、個人的な必要性とダイビング環境に合わせてください。他の人と話をし、彼らがキットに何を入れているか観察することは、あなたのキットの中身を増やしていく上で参考になります。これまで経験したことがない、もしくは、適切に対応するためのトレーニングを行っていないトラブルが起こった際は、解決を試みるべきではないということを覚えておいてください。トラブルが起こった際に助けを求めるだけではなく、トラブルの解決法を知るために必要に応じてコースを受講すべきです。さあ、あなたのキットの中には何が入っていますか?
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